6月に千葉市環境保健研究所の測定で粉ミルク(メーカー不明)からCs137が1.1Bq検出されたことを受けて新宿代々木市民測定所でも粉ミルクの測定を連続して行うことにしました。

まずは2回にわけて日本のメーカー6社のものを比較しましたのでご覧ください。(別表参照)

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さらに、他のメーカーではNDに抑えられている中、わずかとはいえ、Csが検出された2社(森永・雪印(ビーンスターク))のお客様相談室に電話で問合せをしました。森永は、今回検出されたことを機に(すでに他所の測定により検出が判明していたため)原材料からゲルマで長時間測定する方針を決定しており、近々検出されなくなるだろうとの見通しであったので、新宿代々木市民測定所でも引き続きウォッチしていく予定です。

一方雪印は、唯一Cs134までもが検出されたメーカーでしたが、その原因が北海道産の原料によるものではないかとの認識はありつつも、基準値と比較して下回っていることから原因を追究する必要はないと考えているとのことで非常に残念なお返事でした。

また、今回測定の比較表で表示されているメーカーの検出限界値は、実は、上記の検出・不検出とは関係なく、「Cs134と137の合算で●Bq」「Cs134、137それぞれが●Bq」の違いがあるのですが、各社のHPを見てもまったくその違いがわからない表示になっていますので、新宿代々木市民測定所としてはあえてその表示を省くこととしました。

ある、メーカーに「なぜ合算の検出限界値なら合算と表示しないのか?」と問い合わせたところ、「他のメーカーさんと足並みがそろわなくなるから。放射能の値で競争しているわけではないから」と、これまた非常に残念なお答えをいただいてしまいました。

少しでも消費者に安心していただこうとすることより、他社の動向や国の基準の傘の下からはみ出さないことを優先する対応であると強く感じました。

3.11以降、さらに私たちは人工放射能とともに生きていかなければならない時代を迎えてしまいました(もちろんそれは核実験に始まってはいたのですが)。しかし、せめて赤ちゃんの口にするもの、幼いこどものからだを大きくする食べ物から、放射能を限りなくゼロにすることを各メーカーさんに求めることは間違ったことでしょうか?

次回は海外の粉ミルクを測定し、今後定期的に日本の粉ミルクの測定もしていきます。